結論を先に
おおまかな選び方は次のとおりです。
- マレーシア国内で営業 (実店舗・物販・飲食・サービス業) → Sdn Bhd
- 国際取引中心 (海外顧客 70% 以上、IT/コンサル/トレーディング) → ラブアン IBC
- 年商 1 億円以上 → ハイブリッド構造 (Sdn Bhd + ラブアン)
比較表
| 項目 | Sdn Bhd | ラブアン IBC |
|---|---|---|
| 法人税 | 17–24% (外資 20%+ は 24% 一律) | 3% (Trading Activity) / 0% (Holding) |
| 国内取引 | ○ 可能 | × 原則不可 |
| 銀行ローン | ○ 借りやすい | △ 限定的 |
| EP / ビザ | ○ Employment Pass 取得可 | ○ Labuan Work Permit |
| 監査 | 免除基準あり | 必須 |
| Substance 要件 | なし | オフィス + 従業員 2 名 + 運営費 RM 20K/年 |
| 設立コスト | 約 RM 6–10K | 約 USD 18–22K |
| 適用売上規模 | 〜3,000 万円 / 国内事業 | 3,000 万–1 億 / 国際事業 |
ラブアン 3% 税率の落とし穴: Substance
「3% 税率」は Substance 要件を満たしたときだけです。要件を満たさないと 24% に戻ります。
Substance とは:
- ラブアン島内の物理オフィス契約 (年 USD 6,100 程度)
- フルタイム従業員 2 名以上 (年 USD 12,200 程度)
- 年間運営費 MYR 20,000 以上
年間コスト合計 約 USD 18,300 (約 275 万円)。利益 700 万円以上で 3% 税率の方が 24% より有利になる損益分岐点があります。利益が 500 万円以下なら、ラブアンを選んでも税負担は実質 24% で、Sdn Bhd と変わりません。
CFC 税制 (タックスヘイブン対策税制) の影響
日本居住者が 50% 超を保有する外国法人は、4 つの経済活動基準を全て充足しないと、利益が日本で合算課税されます。
つまり「日本に住みながらラブアン法人で 3% にする」は実質困難。日本の住民票を抜き、年間 183 日以上マレーシア滞在する 非居住者化が前提です。
結論: 多くの方は Sdn Bhd で十分
年商 3,000 万円未満で日本人がマレーシアに移住し、現地でビジネスを始めるなら、Sdn Bhd の方がトータルでは有利なケースが大半です。Substance コスト 275 万円を払う負担と、24% 税率を比較すると、利益 700 万円以下では Sdn Bhd が勝ちます。
年商 3,000 万円を超えてから、ラブアンを子会社として加えたハイブリッド構造に進化させるのが王道。BANGGA で過去 100 件以上の法人設立を支援した経験から、この順序が最適と判断しています。