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マレーシア不動産購入の諸費用を完全解説|印紙税・弁護士費用・MOT の計算方法と実例

2026-06-01 · 📖 約 9 分 · マレーシア不動産,印紙税,MOT,弁護士費用,海外不動産購入
マレーシア不動産購入の諸費用を完全解説|印紙税・弁護士費用・MOT の計算方法と実例

結論:購入価格の約 4〜6 % を「諸費用」として別途用意する

マレーシアで不動産を購入するとき、物件価格だけを見て予算を組むと、契約直前に資金が不足して慌てるケースが後を絶ちません。印紙税・弁護士費用・MOT(Memorandum of Transfer)登記料などを合計すると、購入価格の約 4〜6 % が追加でかかります。たとえば RM 1,500,000(約 5,250 万円、1 RM = 35 円換算)の Mont Kiara コンドミニアムなら、諸費用だけで RM 60,000〜90,000 程度になります。

この記事では 2024〜2025 年現行制度をもとに、各費用の計算式・実例・支払いタイミングをすべて解説します。


マレーシア不動産購入にかかる費用の全体像

購入時に発生する主な費用を一覧にまとめます。

費用項目負担者相場の目安支払いタイミング
印紙税(Stamp Duty on MOT)買主物件価格の 1〜4 %取引完了後 30 日以内
印紙税(ローン契約書)買主ローン額の 0.5 %ローン契約時
弁護士費用(SPA)買主物件価格の 0.5〜1 %契約〜完了時
弁護士費用(ローン書類)買主ローン額の 0.5〜1 %ローン契約時
MOT 登記料買主RM 100〜1,000 程度所有権移転時
不動産業者手数料売主売却価格の 2〜3 %取引完了時
不動産利益税(RPGT)売主保有年数による売却時
鑑定・検査費用(任意)買主RM 500〜3,000契約前
注意: 不動産業者手数料と RPGT は売主負担が原則です。ただし価格交渉の過程で実質的に買主が負担する構造になることもあるため、契約書で明示的に確認してください。

印紙税(Stamp Duty)の計算方法と 2024 年改定ポイント

MOT(所有権移転)への印紙税

マレーシア政府は 2024 年予算案(Budget 2024) にて、外国人向けの印紙税優遇を一部変更しました。2024〜2025 年現行の税率は以下のとおりです。

マレーシア市民・永住者(PR)の場合

物件価格帯税率
RM 100,000 以下1 %
RM 100,001〜RM 500,0002 %
RM 500,001〜RM 1,000,0003 %
RM 1,000,001 以上4 %

外国人(非市民・非 PR)の場合

外国人も上記と同じ累進税率が適用されます(2019 年以降、外国人追加税率は撤廃)。ただし外国人は州ごとに最低購入価格制限(多くの州で RM 1,000,000 以上)があるため、実質的に 4 % が大半を占める結果になります。

計算例:RM 1,500,000 の Mont Kiara コンドミニアムを外国人が購入

RM 100,000 × 1 % = RM 1,000
RM 400,000 × 2 % = RM 8,000
RM 500,000 × 3 % = RM 15,000
RM 500,000 × 4 % = RM 20,000
合計 MOT 印紙税 = RM 44,000(約 154 万円)

ローン契約書(Loan Agreement)への印紙税

ローン契約書にはローン額の 0.5 % が課税されます。

印紙税の支払い期限と遅延ペナルティ

所有権移転から 30 日以内 に支払わないと、遅延日数に応じてペナルティが加算されます(最大 RM 50 または未払い税額の 20 % のいずれか高い方)。弁護士事務所が代行手続きするのが一般的です。


SPA(Sale and Purchase Agreement)弁護士費用

マレーシアの弁護士費用はかつて Solicitors' Remuneration Order(SRO) で厳格に規定されていましたが、2017 年の改定後は「ガイドライン」扱いとなり、事務所間での交渉が可能になっています。ただし現実的には以下の目安が業界標準として機能しています。

物件価格帯SPA 弁護士費用(目安)
RM 500,000 以下1 %
RM 500,001〜RM 7,500,0000.7 %
RM 7,500,001〜RM 15,000,0000.6 %
RM 15,000,001 以上0.5 %

最低料金は RM 500。消費税(SST)6 % が別途加算されます。

計算例:RM 1,500,000 の物件

RM 500,000 × 1 %       = RM 5,000
RM 1,000,000 × 0.7 %   = RM 7,000
小計                    = RM 12,000
SST 6 %                = RM 720
合計 SPA 弁護士費用      = RM 12,720(約 44.5 万円)

ローン書類(Loan Documentation)弁護士費用

ローン契約書の作成にも別途弁護士費用が発生します。ローン額に対して SPA と同様の累進レートが適用され、RM 1,200,000 のローンなら概算で RM 8,400〜10,000 + SST 程度です。

実務上のポイント: 売主側弁護士と買主側弁護士が同一の場合(Panel Lawyer)、費用が若干割引されることがあります。ただし利益相反リスクを考慮し、信頼できる独立した弁護士を立てることを推奨します。

MOT(Memorandum of Transfer)とは何か

MOT の法的位置づけ

MOT(Memorandum of Transfer)は土地法(National Land Code 1965)第 215 条に基づく正式な所有権移転書類です。これが Land Office(土地局)に登記されて初めて、買主の名義が公式に確定します。

SPA(売買契約書)に署名しただけでは法的所有者にはなれません。MOT 登記の完了が最終ゴールです。

MOT に関連する登記料(Registration Fee)

MOT 登記料は印紙税とは別に、土地局への登記手数料として徴収されます。2024 年現行の目安は以下です。

物件価格登記料目安
RM 100,000 未満RM 100
RM 100,000〜RM 1,000,000RM 350
RM 1,000,001〜RM 3,000,000RM 500
RM 3,000,001 以上RM 1,000

登記料単体は比較的少額ですが、手続きに数週間〜数ヶ月かかるため、タイトルが出ていないサブセール物件(二次市場物件) では特に注意が必要です。

個別タイトルがない物件(マスタータイトル)の取り扱い

新築コンドミニアムなど、個別タイトル(Individual Title) がまだ発行されていない物件では、MOT の代わりに Deed of Assignment(DOA) で所有権を移転します。この場合、タイトル発行後に改めて MOT 登記が必要になり、追加の弁護士費用・印紙税が発生することがあります。契約前に必ずタイトルの状況を確認してください。


エリア別・価格帯別の総費用シミュレーション

実際に購入を検討しやすい主要エリアの物件を例に、諸費用の総額を試算します。外国人が 80 % ローンを利用するケースを想定しています。

想定条件

エリア・物件例物件価格MOT 印紙税ローン印紙税SPA 弁護士費用ローン弁護士費用諸費用合計諸費用率
TTDI 一戸建てRM 1,200,000RM 33,000RM 4,800RM 10,080RM 8,000≒RM 56,000約 4.7 %
Mont Kiara コンドRM 1,500,000RM 44,000RM 6,000RM 12,720RM 9,600≒RM 72,000約 4.8 %
Bangsar South サービスアパートRM 800,000RM 19,000RM 3,200RM 7,280RM 5,600≒RM 35,000約 4.4 %
KLCC 高層コンドRM 3,000,000RM 104,000RM 12,000RM 21,440RM 16,000≒RM 154,000約 5.1 %
Bangsar 二次市場物件RM 1,800,000RM 56,000RM 7,200RM 14,960RM 11,200≒RM 90,000約 5.0 %
注意: 上記はあくまで概算です。物件のタイトル状況・ローン銀行・弁護士事務所の料金設定によって実額は変動します。最終的な諸費用は弁護士から正式な見積もりを取得してください。

MM2H ビザ保有者が不動産を購入する場合の留意点

MM2H と不動産購入の組み合わせ

MM2H(Malaysia My Second Home) ビザは長期滞在ビザであり、それ自体が不動産購入の条件を変えるものではありません。しかし以下の点でメリット・注意点があります。

購入価格制限の緩和(州によって異なる)

ローン審査への影響

MM2H ビザ保有者は「マレーシアに生活基盤がある」とみなされるため、銀行によっては通常の外国人より有利な条件(借入比率・金利)でローン審査が行われることがあります。ただし確約ではなく、各銀行の審査方針次第です。

RPGT(不動産利益税)への影響

MM2H はあくまで長期ビザであり、マレーシアの税法上の「居住者」とは別の概念です。183 日以上マレーシアに滞在していれば税務居住者として RPGT の優遇(保有 5 年超で 0 %)を受けられる可能性がありますが、個別に税務申告状況を確認する必要があります。

重要: MM2H の制度は 2021 年に一時停止・改定され、2022 年に新条件で再開されました。2024〜2025 年時点では月収証明 RM 40,000 以上・定期預金 RM 1,500,000 以上などの条件が課されています。MM2H 申請と不動産購入を同時に計画する場合は、手続きの順序と時間軸を慎重に設計してください。

費用を支払うタイミングと資金計画の実務

典型的な支払いスケジュール

サブセール(二次市場)物件を例にした標準的な資金フローを示します。

[Day 1] Letter of Offer / Booking Fee 支払い
        → RM 5,000〜20,000(物件価格や売主による)

[Day 14〜21] SPA 署名
        → 頭金残額(合計 10 % に達するよう調整)
        → SPA 弁護士費用(概算額)を弁護士エスクローへ

[Day 90〜120] SPA 完了・残金決済
        → 残額 90 % を現金 or ローン実行で支払い
        → MOT 印紙税をアドバンスで弁護士へ預け入れ
        → ローン契約書の印紙税支払い

[Day 120〜180] Land Office 登記
        → MOT 正式登記完了 → 鍵引き渡し

外国送金の実務

日本からマレーシアへ送金する際は、銀行の電信送金手数料(通常 RM 換算で RM 200〜500 / 回) と為替スプレッドも考慮してください。Wise(TransferWise)などのフィンテック送金サービスを活用すると、大口送金でも銀行比で 0.3〜0.8 % 程度コストを抑えられることがあります。


まとめ:諸費用チェックリスト

マレーシア不動産購入の諸費用を整理すると、以下の 5 点が核心です。

  1. MOT 印紙税は物件価格の最大 4 %(累進)。外国人の場合は最低購入価格が高いため RM 1,000,000 超の税率帯が主体になる。
  2. ローン印紙税はローン額の 0.5 %。頭金を増やすと圧縮できる。
  3. 弁護士費用は SPA + ローン書類で合計 RM 15,000〜30,000 程度(物件価格・ローン額による)。SST 6 % が別途加算。
  4. MOT 登記料は RM 350〜1,000 程度。印紙税と混同しないこと。
  5. 諸費用の総額は物件価格の 4〜6 % を目安に別途用意する。

さらに、新築(一次市場)か中古(二次市場)か、個別タイトルの有無、MM2H の取得状況によって手続きや費用の細部が変わります。予算計画の段階から弁護士に具体的な見積もりを依頼し、書面で費用内訳を確認することを強く推奨します。


免責事項: 本記事の数字・税率は 2024〜2025 年時点の公開情報をもとにした概算です。印紙税法・土地法・MM2H 制度は改定されることがあります。個別の物件購入・税務申告・ビザ申請については、必ずマレーシア資格を持つ弁護士・税理士・公認ファイナンシャルプランナーにご相談ください。

KL 5 大エリア(Mont Kiara・KLCC・Bangsar・TTDI・Bangsar South)での物件探しから諸費用の詳細シミュレーションまで、Bangga では日本語で一括サポートしています。お気軽にお問い合わせください。

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